(1) マンション関連法の歴史は浅く、昭和37年に区分所有法が制定され、区分所有権の対象が明確化、共用部分の範囲及び所有関係、管理者、集会等について規定されました。昭和40年代に入ると団地ブームが到来、後半には大衆型マンションの供給が急激に拡大され、この時期に分譲会社系列の管理会社が出現したほか、管理組合設立や管理組合と管理会社との委託契約に基づく現在のマンション管理の原型が作られました。
(2) 大衆化マンションの急増に伴い、居住者間の管理や使用をめぐるトラブルが生じてきたため、管理組合による管理の明確化、多数権原理による組合運営の円滑化等を目的として、昭和58年に区分所有法が改正された。又、昭和57年に、マンションの管理組合の標準管理規約及び標準管理委託契約書が当時の建設省から答申された。
(3) 平成7年に発生した阪神・淡路大震災は、マンションの建物に多大の損傷を与え、被災したマンションの復旧か建替えかをめぐって区分所有者間で大きく意見が分かれたところもあった。法整備が充分でなかったこと等により、被災マンションの建替えには多大な困難を伴った。このため、阪神・淡路大震災を契機として、大規模な震災によって滅失した区分所有建物の再建を容易にするための被災区分所有建物等に関する特別措置法が制定された。
(4) マンションストックの数量的増加により、マンションの管理をめぐる諸問題が顕在化してきたことを踏まえ、マンション管理士制度及びマンション管理会社登録制度の創設等を内容とするマンション管理の適正化の推進に関する法律が平成12年に成立、同13年8月に施行された。又、建築年数を経たマンションが急速に増加していくことが見込まれることから平成14年6月にマンション建替え円滑化法を制定。
(5) マンション建替え円滑化法の制定に伴い、区分所有法そのものの改正が必要となり、情報化社会に対応したIT化への対応等が盛り込まれた改正法が平成15年6月に施行、又、区分所有法改正に伴い、マンション建替え円滑化法の一部改正も行われ、建替え決議の要件の緩和と団地の建替えに関する規定整備がされた。
(6) これらの法制度の整備やマンションを取り巻く情勢の変化を受けて、
① 平成16年1月、マンション標準管理規約改正
② 平成17年12月、マンションの適正な維持管理のための標準的な対応、望ましい対応を具体的にまとめたマンション管理標準指針策定
③ 平成18年7月、マンション管理組合の管理状況の蓄積・情報共有化を通じた維持管理水準の向上及び管理状況の公開による流通市場の円滑化を目的としたマンションみらいネットの運用開始。
④ 平成17年11月、構造計算書偽装問題が発覚し、マンションをはじめとする建築物の安全に関する信頼が大きく揺らいだことを受け、法改正等諸般の措置が講じられた。
⑤ 平成20年7月マンションの計画修繕工事の適時適切且つ円滑な実施を図ることを目的に長期修繕計画標準様式及び長期修繕計画作成ガイドライン等を公表
⑥ 平成21年5月、管理組合の財産の分別管理徹底を図るためマンション管理適正化法施行規則改正
⑦ 平成22年10月、マンション標準管理委託契約・同コメント改正
(7) RC造共同住宅が出現して一世紀近く、又、マンションが本格的に普及し始めて半世紀近くを経て、マンションを取り巻く状況は大きく変化し、マンションの大規模修繕や建替えの問題が重要度を増すと共に居住者の高齢化、賃貸化及び空き住戸の増加等の問題が顕在化している。こうした課題に対応するため、役員資格要件を緩和する等平成23年7月マンション標準管理規約を改訂すると共にマンションの修繕積立金に関するガイドラインを公表。
(8) 平成23年3月に発生した東日本大震災を踏まえて、今後想定される大規模な地震や災害に備える等のため、平成25年には、
① 被災区分建物の再建等に関する特別措置法改正、法令で定める大規模災害における被災マンションの取壊しや建物敷地売却等にかかる決議要件の緩和等を行うとともに
② 建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正され、耐震改修の必要性の認定を受けたマンションの大規模な耐震改修工事にかかる決議要件の緩和が行われた。
(9) 南海トラフ巨大地震や首都直下地震等の巨大地震発生のおそれがある中、生命・身体の保護の観点から、耐震不足の老朽化マンションの建替え・改修等が喫緊の課題として改修に対して決議要件緩和や容積率等の緩和、建替え等の円滑化を図るため、マンション及びその敷地の売却を多数決により行うことが可能な制度創設により平成26年6月マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部改正が行われた。