マンション管理の見える化とは、
簡単に言うと各区分所有者が必要性に応じて、ご自分のマンションの管理について、過去の経緯(経歴)や現状並びに情報等を知ることが出来る環境づくりのことです。
《具体的な見える化項目》
① 管理組合運営の見える化
② マンション管理規約及び各種使用細則等の見える化
③ 理事会運営の見える化
④ 管理組合経理の見える化
⑤ マンションの建物・設備維持管理の見える化
⑥ コミュニティー形成・活動の見える化
⑦ 管理会社の仕事の見える化
《平成25年度マンション総合調査》
マンションの管理状況全般の満足度について「非常に満足している」が24.2%、「やや満足している」が36.9%で、合計61.1%の区分所有者が満足している。逆に言うと38.9%の区分所有者は満足に至っていないとも取れる。又、マンション管理規約の認知度別では、マンション管理規約の認知度が高い区分所有者ほど満足度が高くなっている。こちらも逆に捉えると、マンション管理規約の認知度が低い区分所有者ほど満足に至っていないとも言える。
又、総会への区分所有者(委任状及び決議権行使書提出者を除く)の出席割合は全体では、「20%超30%以下」が23.3%と最も多く、次いで「10%超20%以下」が21.8%、「30%超40%以下」が14.5%、となっている。実出席率の平均は34.8%である。
マンション管理組合での多くの区分所有者の関心は残念ながら低く、マンション管理規約を知らない、規約を読んだこともない区分所有者は以外の多い、こうした区分所有者からは、特にお金や時間の負担増に係わる議案への賛同は得にくい状況になっている。
知らないから不安 → 不満 → 反対 と言う構図にならないよう、まずはマンション管理について“知ってもらえるよう”マンション管理の見える化を図ることが重要と考えています。
◎物言わぬ区分所有者
マンションの管理組合は、大凡、ものすごく積極的に意見を言う区分所有者が2割、何事にも無関心で何を言っても総会等には出てこない区分所有者が2割、あとの6割が物言わぬ区分所有者です。総会には出てこないが委任状はきっちり提出する、あとは理事会や管理会社任せ、この、物言わぬ区分所有者は実はしっかり理解して賛成している場合が多い、管理組合での重要議案等でこの方たちの判断が重要になります、だから情報はいつもキチンと伝える必要があるのです。(もちろん全区分所有者へ)ここでも情報の見える化!!
◎管理組合での基本的なコンセプト
管理組合の諸々の議案についての考え方の違いを区分所有者間の感情の対立にさせない、常に公開された管理組合の運営に心がけ、少数意見者の意見に真摯に耳を傾け孤立させない、色々な問題に際し、誰かを攻めるのではなく、前向きな議論に繋げることが重要です。
相手を傷つけないコミュニケーションが基本です。
マンション管理の見える化推進にあたって、この基本的コンセプトを遵守することが必要と考えます。
◎マンション管理の見える化の1つの方法としてマンションみらいネットの活用
ご利用は、マンション管理組合での総会決議が前提になります。
例えば、
電子掲示板機能:インターネットのページ内にご自分のマンションの組合員だけが見られる掲示板を設けることができます。これを活用して、組合スケジュールの案内や防災・防犯の呼びかけのお知らせなど、理事会から組合員への情報提供が可能となります。
文書及び図面電子化機能(PDF版) ≪組合図書室≫:管理組合の保有する文書や図面等の図書をスキャニングし、PDF化したデータをマンション管理センターのコンピュータに登録保管することができます。これにより組合員は、管理規約、長期修繕計画、議案書及び議事録、工事請負契約書などが自宅に居ながらインターネットを通して簡単に見ることができるようになります。
<詳しくはマンション管理センターのホームページをご覧ください。>
又、マンション管理組合の管理状態の水準が把握できず、いきなり情報公開するのは少し不安と思われる場合は、当マンション管理士事務所のマンション管理士の無料の簡易診断(マンション管理標準指針に基づくチェック・点検)<詳しくはこちら>を受けてみるのも1つの方法です。
◎ 電子化 =(イコール) みえる化ではありません
ここでは、マンションの管理組合員等への分かりやすい情報伝達すべてが有効と考えています。表やグラフ又は、イラスト等を使った現況報告、アンケート集計等も立派な見える化と考えています。